憲法第59条第4項による再議決

 この動議については、「内閣提出国立病院特別会計所属の資産の譲渡等に関する特別措置法案は五月三十一日に参議院に送付の後六十日以上を経過したが同院は未だ議決に至らずよつて本院においては憲法第五十九條第四項により参議院がこれを否決したものとみなすこととせられたいとの動議(山本猛夫君提出)」というらしい。

以下は、 第13回国会 昭和27年7月31日第70号国会会議録からの引用です。

○山本猛夫君 内閣提出、国立病院特別会計所属の資産の譲渡等に関する特別措置法案は、五月三十一日に参議院に送付の後六十日以上を経過いたしましたが、同院はいまだ議決に至らず、よつて本院においては、憲法第五十九條第四項により、参議院がこれを否決したものとみなすこととせられんことを望みます。
○議長(林讓治君) 山本君提出の動議を採決いたします。山本君提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔養成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて国立病院特別会計所属の資産の譲渡等に関する特別措置法案は参議院が否決したものとみなします。
     ――――◇―――――
○山本猛夫君 憲法第五十九條第二項に基いて再議決のため、国立病院特別会計所属の資産の譲渡等に関する特別措置法案の本院議決案を議題とせられんことを望みます。
○議長(林讓治君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて国立病院特別会計所属の資産の譲渡等に関する特別措置法案の本院議決案を議題といたします。
 ただちに採決いたします。本案はさきに本院において議決の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(林讓治君) 起立者出席議員の三分の二以上の多数と認めます。よつて……(発言する者多く、議場騒然、聽取不能)可決せられました。
    〔「議長異議あり」と呼び、その他発言する者あり〕
     ――――◇―――――
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、三木武夫君外十二名提出、衆議院解散に関する決議案、井之口政雄君外二十一名提出、衆議院解散に関する決議案の両案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○議長(林讓治君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 三木武夫君外十二名提出、衆議院解散に関する決議案、井之口政雄君外二十一名提出、衆議院解散に関する決議案、右両案を一括して議題といたします。順次提出者の趣旨弁明を許します。三宅正一君。
    〔「異議あり」「進行々々」「記名採決すればわかる」と呼び、その他発言する者多し〕
○議長(林讓治君) 三宅正一君の発言を求めます。
    〔発言する者多く、議場騒然〕
○議長(林讓治君) 先刻の議長の宣告に対し異議の申立てがありますから、異議のある方の起立を求めます。
    〔異議申立者起立〕
○議長(林讓治君) 五分の一の定数に足りないと認めます。
 三宅正一君。
    〔「記名投票してみたらわかるじやないか」「休憩々々」と呼び、その他発言する者、離席する者多く、議場騒然〕
○議長(林讓治君) ただいまの議長の宣告に対し異議の申立てがあります。よつて記名投票によつて採決いたします。(拍手)国立病院特別会計所属の資産の譲渡等に関する特別措置法案、衆議院議決案に養成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
○議長(林讓治君) 投票漏れはありませんか、――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖、開匣。開鎖。
 閉鎖投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
○議長(林讓治君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長朗読〕
投票総数 二百九十一
  可とする者(白票) 百九十六
    〔拍手〕
  否とする者(青票)  九十五
    〔拍手〕
○議長(林讓治君) 右の結果、本院議決案は出席議員三分の二以上の多数をもつて可決せられました。(拍手)

いずれにせよ、準備・準備。