県名「とちぎ」に県議が提案県議会

 知名度アップのため、県名を「とちぎ県」に――。6日の県議会一般質問で県議からこんな提案があった。
 提案した岩崎信議員(自民)は「『栃』という字は難しくて、イメージ的にも薄い。全国に平仮名の県は一つもないので、県名を『とちぎ県』にしたらどうか」と考えたという。
 確かに、民放のテレビ番組では「日本一影の薄い県」に選ばれるなど、本県の知名度はいま一つ。ただ、地方自治法によると、県名変更には特別法を国が制定し、県民の住民投票過半数の賛同が必要となる。福田知事は答弁で「県の施策などには平仮名文字(とちぎ)を多用しており、公文書以外での使用の拡大に取り組んでいきたい」と述べるにとどまったが、果たして全国初の平仮名県名の誕生はあるか――。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/news/20080607-OYT8T00095.htm

 都道府県名を変更するための手続きは、憲法第95条の規定による住民投票過半数の賛成を経て、国会での議決による特別法の制定が必要となる。
日本国憲法では、

第九十五条  一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。

地方自治法では、

第三条  地方公共団体の名称は、従来の名称による。
2  都道府県の名称を変更しようとするときは、法律でこれを定める。
3〜7(略)

 記事では、「『栃』という字は難しい」とあるが、文化審議会国語分科会において、この「栃」という字を常用漢字とする案が示された事は記憶に新しいところであり、ここで取り上げた(http://d.hatena.ne.jp/schwantner/20080128#p2)。
 記事だけでは、どのような一般質問であったのか全容は明らかではない。常用漢字への採用が検討されていることは、よもや知らなかったなどということはないだろうが、個人的には『栃』という字は簡単だと思う。『媛』なんかの方が難しいと思う。
 「阪」「鹿」「奈」「岡」「熊」「梨」「阜」「埼」「茨」「栃」「媛」の11字を常用漢字に含めることを決定された訳だが、株式会社日経リサーチの「地域ブランド知覚指数(PQ)」都道府県ランキングによると、大阪4位、鹿児島9位、静岡13位、岡山30位、奈良10位、熊本23位、山梨26位、岐阜39位、埼玉36位、茨城44位、栃木47位、愛媛24位となっており、常用漢字とランキングの相関性があるとは言い難い。
 いずれにせよ、県の知名度も大切ですが、安易に県名を平仮名にしても知名度は変わらないと思うので、「もっと重要事項を一般質問して下さい。」などと思う栃木県民でない私は、お節介だ・・・*1

*1:「埼玉県さいたま市」はまだしも、「とちぎ県栃木市」はちょっとちょっとである。