神戸市違法支出、請求権放棄は無効…係争中の条例改正「議決権乱用」

 神戸市が19の外郭団体に派遣した職員の人件費に充てるため公金を支出したのは違法として、市民団体が市に対し、矢田立郎市長と外郭団体に総額約79億円を請求するよう求めた住民訴訟控訴審判決が27日、大阪高裁であった。市は、1審・神戸地裁の敗訴後、矢田市長らに対する請求権を放棄する条例改正を提案し、市議会で可決されていたが、大谷正治裁判長は「議会の決議は住民訴訟制度を根底から否定するもので、議決権の乱用にあたり、無効」と述べ、矢田市長らに約55億3900万円を請求するよう命じた。市側は上告する方針。
 住民訴訟で裁判所から首長への返還請求命令を受けた自治体が議会を経て係争中に請求権を放棄する例は全国で相次いでおり、今回の司法判断はこうした行政対応に影響を与えそうだ。(中略)
 判決で、大谷裁判長は公金の支出について、「地方公共団体は派遣職員に給与を支給しないと定めた公益法人等派遣法に違反する」と認定した。
 そのうえで、権利放棄の条例改正について「市長や外郭団体の資力など具体的な事情について検討された形跡はうかがえず、合理的理由も認められない」と指摘。「市長が行った違法な会計行為を放置し、損害の回復を含めて是正の機会を放棄するに等しく、住民訴訟を無に帰せしめるもの」と結論付けた。
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20091128-OYO1T00205.htm?from=top

メモ的に記録。このことについては、tihoujiti様が詳しくお書きなっています。
問題の条例改正(神戸市公報)⇒http://www.city.kobe.lg.jp/information/data/regulations/kouhou/img/3103.pdf